私が、初めて自然食に出会ったのは、今から十数年前になります。

それも自然食の中では特に健康や自然治癒力を重んじる
マクロビオテイックに出会ったのですから、その出会いは衝撃的なものでした。

動物性の物は一切使わない・・・卵や乳製品(乳由来の発酵食であるチースやヨーグルトまで・・)
豚肉・牛肉・鶏肉・魚貝類など動物性食材は一切使わない料理。

白砂糖や科学的な添加物は使わず・・・・・ホールフード:玄米や雑穀・・・無精白の食材

とても味気なく・・・甘くなく・・・インパクトなるものが感じられなかった。

それ以前の私の食事は、うまい料理屋があると聞くと食べに行き、
お肉・・・魚・・・中華・イタリアン・フレンチ・割烹・・・寿司・・ジャンクフード・・・
高級から大衆まで、仕事が終われば食べまわり・・・・週末には遠出まで・・・
今では考えられないくらい外食に走っていた時期がありました。

半分は勉強として食べに行っていたのですが、
食べ歩きに使ったお金も半端な額ではありません。

そのような時に都会で自然食に初めてであった時、私自身、料理人であったため、
皮をむかない・・あくも取らない・下茹でもしない・・出汁に鰹節も何も入れない・・・・・
甘味も少ない・・・・あまりおいしいとは思えないもどき料理の多さ・・・
精進料理でもない・・・?・・・衝撃的な出会いであったのです。

近くに座っている人は、
これあまーい、美味しい・・・と感動しているが、私はその甘さや美味しさがわからなかった。

「このりんごお砂糖を食べているみたい・・・」

私にとっては普通のリンゴ、それなりに甘いが砂糖を食べているような強い甘さではない。

デザートも甘くない・・・これはおかずか?

出汁に旨みが無い・・・・

それを周りの人は感動の声をあげて美味しそうに食べていた。

私だけが取り残された異世界にでも行ったような感覚だった。

それからしばらく・・・その衝撃的な出会いから元の美食生活にますますのめりこみ、
自然食事態も忘れかけていた時期に、
たまたま、マクロビオティックの長期セミナーを受講する機会を得たのです。

私はもともと免疫力が高く、滅多に風邪をひく事もなく、
暴飲暴食しても太ることもなく、切り傷もすぐに完治してしまい、
信じられないくらいジャンクな生活をしていたが、全くの健康体であって、
その当時、30代でありながら、年齢よりも外見、相当若く見られるほど、
健康に関しては関心が無かったのです。

(今は、若い時のジャンクな生活を続けていたらと思うと怖くなります。
         年齢が上に行くほど太りやすくもなり、免疫も低下して行くからです。)

ですので、そのセミナー自体もあまり関心が無いまま受けたと言うのが本心でした。

そこにはがんの方やアトピーの方や様々な病に苦しむ方々・・・・
健康やダイエットに関心のある方・・・エステやヨガや整体や化粧品のメーカの方や
エコロジー関係のビジネスマンの方々・・・
医療関係の方・・・看護士さん・・・ドクター・・・栄養士さん・・・
有名なホテルのシェフや料理人の方々が多く来られていました。

えっ~こんな有名な方まで・・・

病気で苦しんでいて今にも倒れそうな弱い方でも、
セミナーが終わりに近づくにつれて、顔色も良く何か元気になっているような?

なんかこの食事法は素晴らしい・・・・
ひょっとしてこれから注目されていく新しい食であるように感じられたのです。

それから専門書を読み漁り・・・・セミナーがあるとは出かけて行きました。

今は違いますが、
がちがちにマクロビオティックにはまっていた時期です。

店を始める3年前後、肉も魚も卵もミルクも一切からだに入れない、
マクロビオティックにこだわった生活をしていました。

今は昔に比べれば、がちがちに凝り固まった生活はしていませんが、
肉も魚も、一般の人から見たなら食べないに等しいくらいの食生活です。

そのがちがちにこだわっていた当時、私の子供は食物性のアトピーでした。

痒くなるとステロイドを塗っていました。

でも考えてその子にあったマクロビオティックの食事を食べさせたところ、
とても良い結果が表れたのです。

それ以後、ステロイドを塗ることもなくなりました。

ご縁とはとても不思議なものです。

その当時、外国から年に数回日本に来られる
マクロビオティックの先生を紹介して頂く機会があり、
その先生のセミナーを企画して、数回開くなど・・・かなりはまっていたのです。

その先生は、アメリカでビジネスを成功された方で、
すい臓がんを患っていて、アメリカでマクロビオティックと代替医療で、
それを克服されてきた経験をお持ちの方であり、アメリカの会社を社員に任せて、
年に数回日本に来られてマクロビオティックのセミナーなどをされていた方でした。

今はお付き合いはありませんが、アメリカでご活躍のことでしょう?

その先生に初めて出会った時に、
「ごく一般の食事をしている人はマクロビオティックの料理は美味しくないと
感じるだろう・・・でも料理人なら動物性の出汁を使わなくても肉も魚も白砂糖を使わなくても
美味しく作れるのが当たり前だ・・
・君は動物性の出汁を使わなくても肉も魚も白砂糖を使わなくても一般の人が
普通に食べれる
マクロビオティックの料理が作れるかね?」と言われました。

先生は、私の作る料理をとても好んでいただきました。

美味しい美味しいと食べてくれていたのを思い出します。

アメリカの会社が忙しくなり、今までのように来れなくなると・・
お帰りになるときに、ニューヨークにレストランを出す計画があるけれど、
手伝いに来てくれないかとも言われていましたが、私はお断りいたしました。

とても良い経験をさせて頂きました。

私の店は、ベジタリアンやビーガンやマクロビオティックを
されている方だけ来るお店ではありません。

都会ではともかくも、
北陸では、ベジタリアンやビーガンやマクロビオティックや自然派志向をされている方の
人口は極めて少ないのです。

ごく一般の普通の食事をされている方の方が多くご来店頂いています。

肉も魚も使わないおせち・・・・その殆どのリピーターが、ごく一般の方々です。

「ごく一般の食事をしている人はマクロビオティックの料理は美味しくないと
感じるだろう・・・でも料理人なら動物性の出汁を使わなくても肉も魚も白砂糖を使わなくても
美味しく作れるのが当たり前だ・・
・君は動物性の出汁を使わなくても肉も魚も白砂糖を使わなくても一般の人が
普通に食べれる
マクロビオティックの料理が作れるかね?」

お店を開いてから十数年そのアドバイスを今も忘れることはありません。

私のお店には、県内外から週末ごとに通われているお客様や
お店を開業してから十数年間、毎日のようにご利用頂いている常連様、
毎年、おせちを予約して頂いているお客様や、
ベジタリアンやビーガンやマクロビオティックや自然派志向の方はもちろん、
ごく普通の食事スタイルで生活されているお客様にも喜んでご利用頂いています。

しかし、そのように喜んで帰られるお客様がいる反面、
そうでないお客様も中にはおられます。

万人に喜んでいただける料理は難しいものです。

少しでも喜んでいただけるように・・・・
違和感なくからだにすーとなじんでいくからだにおいしい料理を目指して・・・